おはようございます!
4月19日 金曜日です!
もう一踏ん張りまいりましょう!
昨日神田で「蒼い目のサムライ」ニコラス・ペタス氏の話を聞く機会がありました。極真空手の総本部で内弟子として修行をし、世界大会では二回、五位に入賞し、その後、K-1でも活躍した人です。
その二回の入賞は全く違う闘い方だったらしい。
一回目はとにかくガムシャラに勝ちに行く闘い方、二回目は対戦相手に合わせて綿密に作戦を練って行く闘い方。
一本を取りに行く相手、延長ののち体重差で勝ちを取るやり方、試し割数で勝つ方法など。作戦通りに勝ち進んだらしい。ところがBest4を掛けて闘うと思っていた田村選手が負けてしまう。データの全く無い20歳のロシア人を前に、ポヤッとしていたら上段蹴りを喰らい一本負けを期してしまう。
作戦には、必ずPLAN B若しくはオプションを用意しておかなければいけない!と思ったそうだ!
空手を志したエピソードや内弟子時代の話など面白かったが、印象に残ったのは、K-1での話!
極真世界大会で初の外国人優勝者となったブラジルのフランシスコ・フィリョ選手がK-1のリングで、喧嘩番長ジェロム・レ・バンナに、目を開けたまま失神KOされたことがあった。
そこで、極真空手のリベンジということでペタス氏に白羽の矢が当たる。興行にはドラマが必要なのだ。
トーナメント方式で、バンナと当たる前にイギリス王者との対戦が控えているにも拘らず、大会関係者からは「いいか!何やってもいいからバンナを倒せ!」と言われ続けたそうだ。
何か仕組まれていたのかもしれない と言いつつも、イギリス王者をローキックで1R KO!次はバンナだ!身体はふた周りも大きく、自分が五位だった時のチャンピオンをKOした相手。「何で自分が?」となんども思ったらしい。
その時、キックを教えてもらった先生に「何をやってもいいからバンナを倒せ と言われた。どういうこと?意味がわからない。」と聞くと、先生はニヤッと笑い、「金的でも頭突きでもいいから倒せ ということかな」「そんな事いいの?」「いいと言えばいい。・・・でも、君には合わないかな? ところで君はどうしたい?」と聞かれ、「・・・正々堂々と闘いたい!」「OK!なら それでいい!」
結果は凄い殺氣を伴って潰しにかかるバンナに
KO負けを期す事になるが、殴られても倒されても正面から立ち向かって行くペタス氏の姿勢は観ている私達に大きな影響を与えてくれた。
自分の中にブレない軸を持つ事が大切だと言う。
それから数年後、大晦日、『ダイナマイト』に出る機会が訪れる。ただ相手が決まらない。因縁の日本人選手Mはペタス氏との対戦を避け、出場の意思表示をしないからだ。結局、三日前にMの不参加が伝えられるわけだが、相手不明のその間もモチベーションと体力を維持しなくてはならない。
保育園への送り迎え、保育園児より手のかかるボブサップ選手の世話、経営しているジムの運営と若手の育成。それらをやった上での自分の練習。それを相手が決まっていない状態で行うのは大変だったと思うが、集中力が途切れることはなかったという。
そこで知らされた相手は、K-1初登場の韓国のキム・ヨンヒョン。なんと身長2m17cm。M以外の日本人でもいいが、その場合はテレビ中継なし と告げられ、キム・ヨンヒュンとやることを承諾。全く未知の相手に、自分で発明した「ダブルローキック」で立ち向かうことを決めた!
身長で40cm、体重で50kg上回る相手を、ダブルローキックでダメージを与え、最後は強烈な右フックでKOする!
あれこれ考えていても、直前に全てを捨て、リングに上がった時、頭にあったことは ダブルローキック のみだったという。
いついかなる時も『芯がブレないこと!』が大切であるとペタス氏は言う!
『空手』はスポーツではなく、『武道』であるという。たんにテクニックを学んだり、身体を鍛えたりするだけではなく、「型」「移動稽古」「約束組手」「組手」を通して、人と付き合い、人を育て、自分を磨いて行くものであり、「空手」は人生を一緒に生きていく『道』なのだそうだ。
『ブレない芯』を持ち続けることが、折れない心を育んで行くのだろうと思った!p(^_^)q